「どうもなってないよ」

「え? そうなの?」


あきらかに、弥生はつまらなさそうな声で言った。



あの後──。

あたしと洋介がどうなったかというと……。

キスを何度も繰り返している途中、洋介のスマホが鳴った。

しつこく鳴り響く電話に洋介は仕方なく出た。

電話の内容は、会社の後輩が取り引き先とトラブルを起こしたらしく、助けて欲しいとのことだった。



『会社行ってくるから。なるべく早く帰る。あっ。夜ご飯、ハンバーグ作って待ってて』

そう言い残して、洋介はスーツに着替えると家を出て行ってしまった。