2人共、何も話さない。

キスしてししまったこと、あたしは少なからず意識してしまう。

ドキドキ……と、鼓動の音が鳴り響く。

でも──。

意識していたのは、あたしだけだったらしく。

洋介は布団をかぶると、

「おやすみ」と言って、寝息を立て始めた。

もしかして眠気の限界にきていたのかな?

なんてどうでもいいことを思う。

洋介のマヌケな寝顔を見ているうちに、
1人でドキドキして、意識しているのが、
バカらしくなってきてしまった。


あたしも寝よう。


元旦那の隣で眠りにつくのは時間はかからなかった。