って……。

何、素直に返事してるんだ!!!!

久しぶりに乗ってあげてもいいよ。

ってぐらい言えたらいいのに。

これって、完全に洋介に手のひらで転がされてるよね。


車が走り出す。


「舞が助手席に乗ってるのが嬉しいな」

洋介が満面の笑みで言いながら。

あたしの手を握ってきた。

「何よ、この手は?」

「昔は、こうやって手を握ってただろ?」

「そうだっけ? 江戸時代くらい昔の話しで忘れたよ」

「じゃあ、タイムスリップして思い出せばいい。
こうしてれば昔の記憶が蘇ってくるだろ?」

「……」