心臓をバクバクさせて、部屋へ向かった。

自分の家なのに緊張するなんて。

ドアを開けると、洋介はベッドで横になり眠っていた。


「良かった…」


なーんだ、寝てるじゃん。

あたしは何を恐れていたんだか。

でも、この安堵感も一瞬だった。


「何が良かったんだよ?」

「へっ?」

洋介が目を開けている。

「オレが起きてたら、困ることでもあるのか?」

「ないよ。ないけど。寝てたんじゃないの?」

「寝たふりだよ。舞がどんな反応するかと思って。残念だったな、寝てなくて」

洋介は意地悪く笑った。