───その時
〝パンッ〟
「!?」
「棗ッ! 走ってッ!!!!」
……美凪だ。
怪我してる、美凪が───
あたしは必死に走った。
「残り10秒切りましたッ!!!」
美羽ちゃんの声。
間に合え、間に合って───
後ろからは足音。
きっとT中の誰かだ。
「棗ッ! スリーーーーッッッ !!!」
美凪からのロングパスをキャッチし、スリーの線で止まる。
「残り3秒!」
今までのあたしの全てを、
この、スリーポイントシュートに─────
───────入れ………ッッッッッ
「チェック!」
打ったあと、横から手が伸びてきた。
入れ、入れ、入れ…………!!!!!!
…───────スパッ
〝ピー〟
う、そ、
入った?
「試合終了!」
「棗ーッ!」
「最高ッ! すごいッッ!!」
「棗ちゃん…ッ!」
「棗ちゃん……ッ!!」
「…76対75で、M中の勝利」
整列のあと、観客席に走る。
「気をつけーッ!」
美凪の、最後の仕事。
思いっきり、深く、頭を下げて
「ありがとうございましたッッ!!!」
「「「「ありがとうございましたッッ!!!」」」」
───あの夏。
北海道の田舎にある、弱小バスケ部に、
奇跡が起きた。
【END】
勇那です。
最後まで、この【弱小バスケ部の奇跡】を読んでくださり、
ありがとうございます!
今までで更新期間が
1番長い作品となりました。
完結までに時間がかかってしまいました。
本棚inしてくださっていた読者さま、
長らくお待たせいたしました(^_^;)
この作品は、今まで勇那が書いてきた
作品の中で、1番思い入れがあります。
勇那にとってバスケは、
1番身近なスポーツで、
1番好きなスポーツです。
そんなバスケの話を書くことにしたので、特に大事に書き進めていた作品です。
この作品を読んで、バスケを知らなかった方にもバスケの楽しさや苦しさを
伝えられたら、と思います。
そして、仲間の大切さ、絆の感動が、
みなさまに少しでも伝わったのなら
嬉しいです。
では改めて、最後まで読んでくださり、
本当にありがとうございました。
みなさまに感謝の気持ちを込めて。
2013 07 26
勇那