「和香ッ」
「はいッ」
未希が絶妙なパスを和香に出す。
和香はそれをしっかりとキャッチ。
と同時に、中に走り込み和香からリターンパスをもらう。
そしてそのまま───
───パサッ
「ナイッシュー未希!」
「ナイスプレーッ!」
決まった。
うん、今のすっごいよかった。
T中ついてけてなかったし。
でもやっぱり、T中は引かない。
S中の時と同様、一進一退。
取ったら取られ、取り返しては取り返される。
〝ピー〟
1クォーター終了。
点は、30対26。
あたし達M中のリード。
「みんな、すごいいいよ! この調子で、2クォーターも頑張ろう!!」
「「「「はいッ!!!!」」」」
…でも、勝ってるからって油断しちゃダメだ。
〝パンッ〟
T中ボールでスタート。
「ディフェンス!」
「止めるよ!!」
4番にボール。
そしてそのまま、4番は強引に突っ込んでくる。
美凪はそのままつき、危ないと読んだのか近くの蒼乃も寄る。
………が、
───バンッ
美凪、蒼乃を吹き飛ばし、4番は強引にシュートを決めた。
「「「「「キャーーーッッ!!」」」」」
T中の観客席からは、キンキン声が響く。
M中の観客席も、負けじと応援の声を大きくした。
M中の観客席には、校長、教頭、担任、その他先生、みんなの家族、佐倉ちゃん、中田。
応援してくれてるみんなのためにも、あたし達は、今日ここで、勝つ。
必ず。
「4番!」
4番って、あたしのスリーだ。
あたしはディフェンスをかわし、0°で和香からのパスを受け取る。
勝つ!!!!!
───スパッ
「ナイッシュー棗ッ!!!」
「棗サイコーッ!!!」
「お前ってやつは!!」
あ、ちょっと痛いかも。
頭あんま叩かないで美凪。
それからずっと、流れはM中。
シュートは次々と決まり、点差も徐々に開いてきた。
〝ピー〟
2クォーター終了。
59対40。
よし!!!
勝ってるぞみんな!!!
ハーフタイムで体力は回復。
みんなの顔は、笑ってる。
〝ピッ〟
審判のホイッスルが鳴る。
「よし! みんな、後半戦だよ! 頑張ろう!!」
「「「「はいッ!!!!」」」」
あたし達は再び、コートに飛び出した。
………しかし。
あたし達は忘れていた。
T中のプレースタイルを。
〝ピッ〟
「5番ファウル!」
美凪からのパスをもらいに行こうとしたら千鶴に腕を引っ張られた。
審判がちゃんと厳しい人でよかった。
少しのファウルも見逃さず、ホイッスルを鳴らす。
〝ピッ〟
「7番ファウル!」
T中は次々とファウルを重ね、ついにはチームファウルになった。
〝ピッ〟
「8番ファウル!」
ほらまた。
チームファウルのため、未希にフリースローが与えられた。
───パサッ
「ナイッシュー未希! さすが!」
さすが未希。
きっちり決めてくれた。
でもT中はこりもせず、荒いプレースタイルは変わらない。
未希のフリースローが終わった直後の攻め方は、もうめちゃくちゃ。
和香と蒼乃のディフェンスで阻止したけど、危ない。
怪我するよ。
「2番!」
これは蒼乃が攻めるパターン。
未希は1回美凪にパスを出し、そこから蒼乃にパス。
蒼乃の見事なフェイクにまんまと引っかかったディフェンス。
蒼乃はそのままドリブルで抜き、綺麗なジャンプシュートを決めた。
「ナイスプレー蒼乃ッ!」
「ナイッシュー!」
でも、いい感じ。
シュート決まるし、相手はチームファウルだし。
そこから何回かのチームプレーをし、さらに点数を重ねるあたし達M中。
〝ピー〟
3クォーター終了。
69対56。
よし、次はいよいよ、ラストだ───
最後のクォーターは、M中ボールでスタート。
点差をさらに広げて、勝つ!!!!!
…………が、しかし、
あたし達の体へのダメージは、思った以上に大きかったらしい。
「痛…ッ」
〝ピッ〟
審判がタイムをとってくれた。
始まって早々、美凪と4番が接触し、美凪はそのままフロアに倒れた。
「「「「美凪ッッ!!」」」」
上半身を起こした美凪は、顔を歪めた。
「どうした? ひねった?」
未希が美凪のバッシュを脱がせる。