「棗、喉乾かない?」 「っ! か、母さん」 いきなり声をかけられたから、若干ビビった。 未希といい母さんといい、背後からの攻撃はやめてほしい。 「スポーツドリンク持ってきたんだけど、飲む?」 あ、ちょっと喉乾いてきたかも。 「ありがと」 あたしは母さんの手からペットボトルのスポーツドリンクを受け取り、一気に半分近くまで飲んだ。 「うーわすごい一気に飲んだね。そんなに喉乾いてたなら自販で買えばよかったのに」 「練習で、喉乾いてることなんかわかんなかったんだよ」 そう言ってまた一口。