その日、家に帰ったのは、夜の11時を回った頃だった。
「ただいまー」
「おかえり」
リビングのソファに座り、テレビを観ていた亮二が振り向いた。
「今日、亮二はどこも出かけなかったの?」
「昼間、ゲーセーン行って、夜は大学の時の友達とご飯食べに行ってきたよ」
「ふーん。けっこう早く帰ってきたんだ?」
そう聞きながら、亮二の隣に座った。
「あぁ。妻子持ちだからな。長い時間はいられないよな」
「ずっと子供を奥さんに面倒見させるわけにもいかないもんね」
「話の半分は子供のことだったよ。すげー親バカになってるし」
亮二が思い出し笑いしてる。