「瑠衣がクッキーの味の感想教えてくれって言ってたよ」

「そう……。亮二は食べた?」

「オレはもらえなかった。彼女持ちの人にはあげないだってさ」


亮二が苦笑いを浮かべた。

笹原さん、あたしに気を遣ったのかな?


「じゃあ、オレもシャワー浴びてくるよ」

「うん」


亮二がリビングから出て行く。


あたしは、クッキーを手に取る。

わざわざ子供達の為に試作してるんでしょ?

ボランティア活動なんて皆が皆出来るもんじゃないよね。

笹原瑠衣という人間に圧倒されてしまう。