あたしは、深いため息をついてしまう。


「そのうち、亮二が愛想尽かすんじゃないかって、不安になるの」

「何言ってるのよー？　樹里のグータラ振りを見て、愛想尽かしてるなら、とっくの昔に愛想尽かしてるハズよ？」

「そうかもしれないけど……。笹原さんに奪われちゃうかもしれない」

「笹原さん？」


あかねが首を傾げた。


「あの人、亮二のこと狙ってるかもしれないの」

「えぇ～？」

「亮二を近くで狙ってる人がいるかもよって、堂々と言われたの」

「うわっ。それ略奪宣言みたいなもんじゃん！　嫌な女！」


あかねが声を荒げる。

露骨に顔をしかめた。