「─そんなことで落ち込んでるの?」

「そんなことって、あたしからしたら大きなことなんだよ」




────翌日。



会社の食堂で朝から、あかねに昨日のことを話した。

あたしは今だに落ち込んでいた。

亮二が帰ってくるまで、爆睡していたことを。

いつもなら、一晩寝ればケロッと立ち直っているというのに。


「でもさ、樹里が佐伯が帰ってくるまで寝てて、夕飯作り忘れたって初めてじゃないでしょ?」

「そうだけど……」

「樹里らしくないじゃーん。いつもならヘマやらかすと、ヘラヘラして話してくるのに」