「おかえり、亮二」

「ただいま。樹里、今日どこに行きたいんだ?」

「あぁ。それは....テルに行きたいの」

「ん? テル?」

途中、もごもごと言うもんだからなんて言っているか聞こえなかった。

「ラブホテルに行きたいの」

「へっ?」

「だから、ラブホテルに行きたいの!」

樹里が開き直ったように言う。

「なぜ、ラブホ?」

「だって、笹原さんと行ったんだよね? だからその.....。あたしも行きたいなーって」

「へぇ」

樹里らしい発想だ。

「あっ。でも亮二が嫌なら別に」