瑠衣がそう言ったときだった。
瑠衣の携帯が鳴った。

「彼氏からだ....」

オレは「どうぞどうぞ」と、茶化すように言う。


「もしもし、どうしたの? ーーえ? ウソ!」

瑠衣は明らかに動揺している。
一体、何があったのだろう?

「分かった。空港まで迎えに行くよ」

そして、瑠衣は電話を切った。

「亮二、彼氏が帰ってきた」

「アメリカから帰国したのか?」

「で、今、空港にいるって。あたし急ぐから。じゃあね。お疲れ」

「おうっ。気をつけて」

瑠衣は駐車場まで走って行った。