あー、もう。
樹里ってどうしてこんなにも手がかかるんだろう?

本当世話が焼けるやつなんだ。
でも、本人は必死で一生懸命。
だから、放っておけない。
側にいたくなる。

そして、そんなところが愛おしい。

この先、一生、樹里に振り回されるのは変わらないだろう。

でも、きっとオレはそれを苦痛だと思うことなく、受け止めていくんだろう。

それは、オレにしか出来ないこと。


「なんか、腹減ったな。樹里、食欲はあるか?」

病院の帰りの車の中で聞いてみる。
でも返事がない。

ちらっと助手席を見ると、樹里は眠っていた。

何でだろう?
樹里の寝顔が可愛くてたまらない。