あたしの問いに亮二は静かに頷く。

そんな.......どうしてよ。
ひどいひどい。

美人だから誘惑されてついて行ったの?

「確かに、瑠衣とホテルに入ったよ。でも樹里が想像しているような事は何もないんだよ」

「嘘だ! そんな否定なんてしなくていいよ! 今更じゃないの!」

「嘘じゃないんだよ」

「もう嫌だ! 亮二の不潔! 大嫌い!」

笹原さんを抱いた体であたしの隣にいるなんて、不潔に思えてならない。

「樹里どこ行くんだよ?」

部屋を出て行こうとするあたしを見て亮二が聞く。

「どこでもいいじゃないの。亮二の顔見たくないよ。吐き気がする」

「なぁ? オレの言い分は聞いてくれないのか?」