「この前、誰とホテルに入ったの?」

「ホテル?」

「あたし見つけたんだよ。亮二のジーンズのポッケから、ラブホのレシートが出てきたんだよ。一泊って書いてあった。
誰と入ったのよ?」

「樹里、それは」

亮二が掴んでいたあたしの腕を離す。
そして目を逸らした。

ズキン....と、胸が痛む。
亮二はやっぱり嘘をついていたと確信してしまった。

「亮二......。ラブホは会社の人と入ったんだよね?」

押し倒されていたあたしは起き上がり、亮二に恐る恐る聞く。

「.......」

「ねぇ、何でなにも言ってくれないの?」

「ラブホには瑠衣と入ったよ」

「瑠衣って笹原さん?」