そう言ってすぐだった。

亮二がソファに座っていたあたしを押し倒してきた。

「いやっ! 触んないで!」

「触るなって....。やっぱなんか怒ってるじゃん。中華食べに行きたかったのか?」

「そんな単純な事じゃない!」

バカにするな!
すごくすごく腹が立つ!

ううっ。
悲しくて涙が溢れてくる。

「じゃあ何で怒ってるんだよ? 言うまでずっとこのままだぞ」

「本当に心当たりないの?」

「ないよ」

きっぱり言い切る亮二。

「嘘つき嘘つき! 浮気したくせに!」

とうとう言ってしまった。
ここ数日溜まった鬱憤が解消された瞬間だった。