そう。
今日、亮二は会社の上司と中華を食べに行ってきたんだ。

そんな連絡がきたのは、定時を回った頃であたしは、本当に会社の人と行くの?
と、疑った程だ。

「風呂入ってこようかな」

「うん。そうしたら」

あたしはテレビを観ながら答える。
顔を合わせる自信がないのだ。

「樹里も一緒に入るんだよ」

「あたしはもう入ったから」

「なーんだ、残念」

「.......」

この様子だと女の人と一緒にいた。
というわけではなさそう。

「樹里」

「何?」

「何でオレの方見ないんだよ? なんか怒ってるだろ?」

「そんな事ない。テレビに夢中なだけ」