頭の軽いあたしでも分かってしまう。

亮二は嘘をついている。

飲みに行った後会社の人の家に泊まったなんて嘘。本当はホテルに泊まったということ。



「──その様子だと、佐伯を問い詰めたり…まではしてないみたいね」

「……」


そう。あかねの言う通り。あたしは亮二を問い詰めることは出来なくて…。

何も知らない顔をして過ごしている。


「でも、問い詰めないと、嘘つかれたままだよ?」

「そうだけど」

「でも、本当のこと知りたいんでしょう?」

「知りたいのは、山々だけど…。でもやましいことがあるから嘘つかれたのかなぁって。それに飲みに行った相手も女の人なんじゃないかって。亮二の口から本当のこと聞くのが怖い気持ちもあるの」

「まぁ。気持ちは分かるけどね」