そして金曜日がやってきた。


「じゃあ行ってらっしゃっい」

「あぁ。行ってくるよ」


仕事上がり一度家に帰って私服に着替えを済ませて、今から家を出るところ。

樹里が玄関先で見送ってくれた。




マンションを出た後、タクシーを拾う。(飲むだろうから自分の車では行けない)

行き先の居酒屋には15分ほどして着いた。



「──亮二」

店の中に入ると、瑠衣がテーブル席から手を振った。


「悪い。待たせた感じ?」

「そんなことないよ。あたしが早く来過ぎただけだから」


イスに座ると早速ビールと適当につまみを頼んだ。

そしてすぐにビールが運ばれてくる。


「昔は同期同士で集まってたよねー」

瑠衣が半分程ビールを飲んでから言う。