『なにかあったのかな?』
サオリが人だかりを指差して言った。

『さぁな。』

いかにも興味なさげにジンは答えた。

しかし、サオリの性格上、素通りするわけもなく、ジンはサオリに手を引かれ、人だかりの方に向かわされた。

『おい!サオリ!離せよ!』

必死に抵抗するジンだったが、結局人だかりの仲間入りしてしまった。

人だかりは何かを取り囲むように形成されており、その中心には三人ほど人がいるようだった。