『あの…俺…』

謝ろうとジンはマユミにも話しかけた。

するとマユミは人形の様にゆっくりとジンの方を向き、

『サオリはね…毎日毎日ジン君の話ばかりしていてね…』

と囁くように語り始めた。
それからマユミはサオリとの思い出を語り続けた。

もう涙が枯れほど泣いたはずなのにマユミの目は再び潤んでいた。

それでもマユミは15分ほど語り続けた。そして最後に…

『サオリはジン君と出会えて幸せだったと思うわ…ありがとうね…。』

そう言って俯いてしまった。

ジンは申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

たった1人の少女を護れなかった自分の非力さを呪った。

そして、ジンは横たわるサオリの側に駆け寄り、

『サオリ!!なんで寝てんだよ!お前がいなくなったら誰が俺を起こしてくれんだよ!もう怒らないようにするから…もう一度目を開けてくれよ…。』

涙を流しながら必死に自分の想いを伝えた…。

ジンの涙がサオリのほほに一粒こぼれた。

するとその瞬間、サオリの左胸のところが輝きだした。