翌日。


俺は、一人でのぞみの家に来た。


でっけえ家だな…



でっかい門のインターフォンを鳴らすと、

女の人が出た。


「どちら様ですか?」


「のぞみと…あ、のぞみさんと付き合っている
富澤雪夜です!」


敬語使いなれてないから
緊張する。


つか…
返事ないんすけど?


そう思っていると、
女の人が出てきた。



メイド服。

リアルメイドだ…



「富澤様、中にお入りください。」


「あ…ども。」


でっかい門が空き、
中庭を通り玄関から中に入った。



本当に物語に出てくる
城みたいな家だ。



中に入ると、
執事やメイドが何人も並んでお辞儀をされた。


すっげ…
リアルにこんなことあるんだ…


つかのぞみって本当にお嬢様だったんだな。


「こちらに入ってお待ちください。」


「は…はい。」


通された部屋もまた広い。

真ん中にソファーと机。
上にはシャンデリア。

多分有名な人が書いた絵。

どれもこれも俺が想像つかないほど高そうだ。



うわ…この葉巻うまいんかな…


テーブルに置いてある
葉巻を触っていると、
ガチャリとドアが開いた。


スーツをビシッと着ていて、
いかにも社長って感じの
男。


多分のぞみの父親。


のぞみに顔がそっくりだからすぐわかる。


「こ、こんにちは…」


「やあ。
君から来てくれるとは話が早い。さっそくだが…
のぞみと付き合っているそうだね。」


「はい!!
俺…あっと…僕?…の家にのぞみさんはいます。」


「率直に言うが、
のぞみとは別れなさい。」


やっぱり…反対だよな。
こうなることは想像ついていた。



「別れる気はないっすよ。」


「君とのぞみは相応しくない。
のぞみは、この柴崎家には必要な子なのだ。
のぞみの事を思うならのぞみを返して、別れなさい。」


「あの…のぞみさんが必要なのは娘だからですか?」

「当たり前だろ。」


「のぞみさんは帰りたくないと言っています。
あなたがのぞみが必要なのは、世間体とのぞみが居なければ柴崎グループにとって大きな損失になるからですよね。」


ちょっと、挑発的に言ってみた。


そうすれば、引いてくれると…



けど、


世の中そんなに甘くはなかったんだ。