そして、店が始まって
客が続々と入ってきた。



「美亜ちーん♪何飲む?」
チャラ男の龍がやって来た。


「カクテルおいしーの。」

「美亜ちん、未成年でしょ~。」


「ほれ、ノンアルカクテル作ってやったから我慢しろ。未成年。」


「オーナーのケチ。」


「お前な、本当生意気。」

「店で、女とヤってるの見せつけられちゃったらね~」


「あ~オーナーまた女つれ込んだの~?
美亜ちん、この人この店で一番手が早いから気を付けてよ~」


「ばか野郎。
龍が一番だろうが!
オラ、早く仕事しやがれ!」

オーナーって、
オーナーらしくない。


でも、固いよりはましかも。


ノンアルカクテルを
渋々飲む。


ん?


意外とうまい。


「美亜はさ、家出中なんだよな?」


「あー、まあ。
誰に聞いたの?」


「ヒカル。
家はどうしてんだ?」


「ん~独り暮らし考えてる。」


「そうなんか。
ならさ、この店の二階貸してやるよ。」


「え?」


「昔は、俺が住んでたんだけどよ、今は使ってねーから。家賃は働いてもらうからいらねーよ。」


「マジでいいの?」


「あぁ。
どーせ、適当に捕まえた男んところにでも泊まってんだろ。」


「……ギクッ」


「わざとらしっ
ま、とにかくよ好きに使っていいからさ。」


「オーナー優しいっすね~」


女好きなだけじゃないのか。