突然のことにビックリして、ガタガタっ
と椅子ごと後ずさる。



「……燐って、誰だよ」


「お、お兄ちゃん……です…」



私がそう言うと、方眉を上げて、お兄ち
ゃん?と不思議そうにした。



それにコクコクと頷く。



「……あっそ」



すると、向坂くんは素っ気なくそういっ
て前を向いてしまった。



……向坂くんが訊いてきたくせに。



変なの。



そしてやっぱり放課後になっても雨は止
まないどころか、もっと強くなっていた




帰りのHRが終わると、皆ぞろぞろと帰
っていき。



私も、帰らないと───と立ち上がった
その時、



「あ、園田と向坂、ちょっと来い」