「澪のお兄ちゃんなら、そうとうイケメ
ンだろうね!やっぱり澪に似てるの?」
ニコニコしながらそう訊いてきたかなえ
ちゃんに、ぎこちない笑みを浮かべる。
「イケメン……だとは思うけど、似てな
いよ」
だって血が、繋がってないから。
だけどまだ、そこまでをかなえちゃんに
打ち明ける勇気までは無かった。
思い出すのも、嫌なの。
お昼休みが終わり、ぞろぞろと皆が席に
ついてくる。
その時、携帯がメールの着信を知らせた
。
「あ、燐ちゃんからだ……」
そこには、迎えにいく時間が書かれてい
て、【了解です!】と送ってから携帯を
閉じると───。
「燐ちゃんって誰」
いつの間にか隣に居た向坂くんが、私を
覗きこむようにして見ていた。
「ひゃぁ!?」