「ん?今日は休講。だから放課後待って
てね、澪」
「でも、」
「いーから!澪になんかあったら、俺が
悲しいから。……ね?」
そう言われては、仕方ない。
しぶしぶといったようにコクッと頷くと
、燐ちゃんが頭を撫でてくれた。
そして。
「うわぁ、すごい雨。これ放課後まで止
まないんだってよー?」
お昼頃になると、予報の通りのどしゃ降
りで、かなえちゃんが眉をしかめた。
かなえちゃん、電車通学だもんね。駅ま
で大変だなあ、これ。
「澪、帰り気を付けなね?」
「うん……あ、でも今日は燐ちゃんが、
迎えに来てくれるって言うから……」
「燐ちゃんって?」
「お兄ちゃんだよ」
そう言うと、かなえちゃんはへぇ、と言
って。