なんでかなえちゃんてば、そんなに目を
キラキラさせてるの?



「かなえちゃん……良くない。良くない
んだよ」


「ん?」


「もう、すーーっごく大変だったんだよ
、私はっ!」



だってね?



まだ喋ることだって緊張しちゃってまま
ならないのに、ずーっと手は繋がれるし




向坂くんは普通にイケメンさんだから、
周りの女の子の人目を引くし、妬みたっ
ぷりの視線が私に突きつけられるし。



……なんでか男の人までこっちを見てた
けど。



だからね、ぜーんぜん、良いことなんて
無かったのに、かなえちゃんてば能天気
だよ、と心の中で抗議しながら、ちょっ
と頬を膨らませると、



「そっか、澪にはハードだったかもね」



とかなえちゃんは苦笑いしながら私の頭
を撫でてきたけど、



「でも、やっぱりそれでも羨ましい!」