「澪ーっ!」
月曜日、教室に入ると、かなえちゃんが
飛び付いてきた。
突然の衝撃にビックリして、思わず後ろ
に倒れそうになるのをどうにか思いとど
まる。
「か、かなえちゃん、おはよ……」
「おはよ、澪!ごめんね、遊びに行くの
ドタキャンしちゃって!」
「ううん……。お、お母さんはもう平気
なの?」
そう言うと、かなえちゃんは私から離れ
てニッコリ笑った。
「うん、もー完治!あの人元気だからさ
、基本」
「そっかぁ……。良かった」
そう言いながら、自分の席に行き、鞄を
机の横に引っ掻ける。
チラッと隣を見ると、向坂くんはまだ来
ていなかった。
「ていうかあのあと、澪どうしたの?」
「へ?」