これから教室に残って日直をしなくちゃ
いけない私を心配してくれたのか、かな
えちゃんが心配そうに訊いてきた。



そんなかなえちゃんに、僅かに微笑んで
頷く。



「大丈夫だよ、日直くらい、すぐに終わ
るから」


「それもだけど……そうじゃなくて今朝
、泣きそうになってたでしょ。何か言わ
れたの?」



目、まだちょびっと腫れてるよ?と言わ
れて、慌てて目を伏せる。



気付かれてたんだ……。



「うん、大丈夫だよ。……これは私が悪
いから」


「そっか。でも、なんかされたら、言っ
てね。いつでも相談にのるから」


「ありがとう、かなえちゃん」



ニコッと笑ってそう言うと、うん、とか
なえちゃんも笑って、帰っていた。



日直、頑張らないと。



よし、と気合いを入れていると、ガラッ
と教室のドアが開いて、向坂くんが入っ
てきた。



「……あ…」