「……は?なんつった、今」
「えと……あのね、今度の土曜日は、矢
渕くんとお出かけする予定が──……」
それを最後まで言い切る前に、向坂くん
に、おもいっきり睨まれて。
「え、なに。俺が許すと思ってんの?」
「え、あの……えっと」
───あれから。
前とは別人みたいに優しくなった矢渕く
ん。(たまに意地悪もいうけど)
そんな矢渕くんに、友達にならねえ?と
言われて断る理由もなく。
今度どっか行こうって言われて、友達だ
しなんの問題もないと思って。
土曜日空いてるか、って向坂くんが訊い
てきたから正直に矢渕くんと遊ぶって答
えただけなのに。
何故か逆鱗に触れてしまったらしい…。
「あのね、でも本当にただの友達で…」