それで"仕方ない"なんて割り切れるほど
大人じゃなかった俺を、いつも励まして
くれて。
澪の方が、遅いのに。
俺の迎えが来ても、澪にはまだ誰も来な
いのに。
俺の目から見た澪は、すごく強かった。
だからどこか、憧れていたんだ。
「……俺は……。今まで、一度も澪のこ
とを忘れた日は、無かった」
ずっと。
ずっと焦がれていたんだよ。
いつも見上げる空が、澪へと繋がってい
ることに夢を抱いて。
澪も今、空を見上げていたらいいのに、
なんて考えながら、いつか会えることに
希望を馳せて。
会えたら、言おうと思ってた。
「……ごめんな」
って。
そう呟いてから澪を見やれば、信じられ
ないとでも言いたそうに目を見開いてい
た。