「自分で爆弾を投下してんなっつの…」



ガシガシと頭を掻いて、フェンスにもた
れ掛かる。



屋上まで来て風にでも当たれば、昂った
感情も少しは冷えるかと思ったのに。



一人になって周りが静かなほど、脳裏に
その存在を主張し出すのは、澪の泣き顔
とあの金髪ヤンキー。



わかってる。



澪は軽い気持ちなんかじゃなくて、ただ
純粋にあの金髪に惹かれたんだって事も




あの金髪も、ただひたむきに澪を愛して
るだなんて事も。───だからこそ、ウ
ザイ。



チャラチャラしてる野郎だったら、なん
のためらいもなく澪を奪ったのに。



それがどんな手段だとしたって。



だけど……。



「幸せそーな顔……しやがって…」



二人して、愛しさで満ちた瞳で。俺の入
り込む隙間なんて、これっぽっちも無く
て。