だけど、元々少なかったお友達は、私が
矢渕くんに付きっきりなせいで居なくな
って……。



しかも俺様な矢渕くんが怖くて、矢渕く
んへの苦手意識は増えてくばっかりで。



幼稚園を卒園する頃には、すっかり男嫌
いが定着しちゃった訳だけど。



小学校に上がると同時に、矢渕くんは他
県にお引っ越ししたって伝えられたから
、ちょっぴりホッとしていたのに……。



まさかまた、現れるだなんて……。



「──……つまり、矢渕くんは澪の男嫌
いの原因ってこと?」



昼休み、一通りの事を話終えた私に、か
なえちゃんがそう訊いた。



それに、コクンと頷く私。



「……っあのエロガキ!ぶっ潰してやる
!」



ガシャン!とフェンスを殴ってそう言っ
た向坂くん。



「でも初対面で空にあんだけ生意気な男
は久しぶりだよねー」