燐ちゃんさえ居れば、もう誰も要らない
、男の子なんて。
特に野蛮そうな男の子は大嫌い。
それと、タバコは、もっともっと嫌い。
あんなのこの世界から消えてしまえばい
いのにと、幾度も願った。
涙が枯れるまで願った。───もうあの
人が、戻ってこないことを知っていたの
に。
バッグを置いて、部屋着に着替えてから
リビングに行くと、もう既に夕食が用意
されていた。
燐ちゃんは何でも出来る。お料理だって
、女の子の私よりも確実に上手だもん。
「わぁ、美味しそう!」
「澪の好きなシチューにしたんだ。いっ
ぱい食べなね」
グラスにお茶を注ぎながらそういってく
れた燐ちゃんに、ニコッと頷いた。
やっぱりこの家は癒されるなぁ……。
燐ちゃんのパパとママと、燐ちゃんと私
。
燐ちゃんのパパママは、私を子供のよう
に扱ってくれるから、すごく好き。