そうだった。今はかなえちゃんと、お昼
の途中なんだった。



いけない、いけない。



「ていうかさ、治りそうなの?」


「え?」


「澪の男嫌い、克服できそうなの?」



そう首を傾げたかなえちゃんに、ふるふ
ると首をふる。



「無理、だよ……」



とても、男の子を好きにはなれない。



向坂くんも、他の男の子達でも。



でも、私は───……。



「燐(りん)ちゃんが居れば、いいもん…
…」



私が気を許せる男の子は、たった一人で
いいの。



それ以外、要らないの。