そう簡単には頷けないよ……。
うーん、と迷っていると、燐ちゃんが二
階から降りてきて、ニヤ、と笑った。
「俺が代わりにいってあげようか?」
……へ?
燐ちゃんの突然の提案に、私だけじゃな
く、向坂くんも怪訝そうな表情を浮かべ
ている。
「はぁ?なに寝ぼけたこと言ってやがる
。つか来てどうするつもりだよ」
「ん?そりゃあね、丁重に挨拶させてい
ただくよ。俺は息子さんの恋人です、っ
てね」
そう言って、ニッコリと笑う燐ちゃん。
「……は!?それよからぬ誤解を招くだ
ろ!って、澪も赤くなんな!」
そう言って、コツン、と私を小突いてき
た向坂くん。
でも想像しちゃったら……なんか意外に
お似合いだったんだもん。イケメン二人
で。
「さ、向坂くんが望むなら、私は身を引
きます……」
「望んでないから!俺には澪だけ!」