ああ、と頷く燐ちゃん。
ねえ、燐ちゃん、苦しいよ。
笑ってるのになんで、苦しそうな瞳をし
てるの?
そんな顔、しないでよ……。
「だからね、ここで澪をめちゃくちゃに
してあげる。そしたら澪、もう男の子な
んて一生関われなくなっちゃうよね?」
クスリ、と笑った燐ちゃん。
プチン、と、ホックが外される音がやけ
に響いて聞こえてきて、顔が熱くなった
。
「俺が怖いだろ?澪を汚してく、俺が怖
いだろ?」
確かに最初は怖かったよ。でも───
「怖く……ないよ…」
掠れた声でそう言えば、燐ちゃんの瞳が
大きく見開かれた。
それから、すぐにその真意を確かめるか
のように目を細めた。