そんなお義母さんに苦笑いを浮かべてか
ら、チラリと"アイツ"を見た。



けれどもさっきみたいな嫌な気配は全く
感じられず、普通に楽しげに談笑してい
る。



一応は澪の兄貴なんだから、無闇に手は
出せねえし……。



やがて二時間くらい経つと、お義母さん
が泥酔してしまったことによって、パー
ティーは終わりを告げた。



……もう8時か……。



チラ、と時計を見て、弟たちを思い浮か
べる。



一応連絡はしといてあるし、家を出ると
きに夕飯は作っておいたから何の心配も
要らないとは思うけど、末っ子の涼(り
ょう)がなにかしでかしてないかが心配
だった。



意外と泣き虫だし、泣いたら他の奴等の
手には負えないから。



……ったく。クリスマスくらい家に帰れ
っつーの、なんて、親への不満を心の中
で訴えていると。



「空くぅ~ん、今日は泊まっていきなさ
いよ」



とお義母さんが言い出した。