「ま、ほどほどにな。んじゃ、かなえも
来たし、帰るわ」
ヒラヒラと手を振りながら、溝口と仲良
さげに帰っていった豊。
まあ、溝口の腰に手を回そうとして叩か
れてたけど。
お前だって、溺愛してるくせに。……な
んていっても普通に認めそうだから、い
わないけど。
「向坂くん……」
ボーッとしていたら、そんな声が聞こえ
てきて、見るとビックリしたような澪が
立っていた。
なんでここに、みたいな顔だ。
そりゃそうか。だって先に帰っててって
言われたしな。
「……帰るぞ」
それだけいって手を差し伸べれば、澪は
笑顔でそれを握ってきて。
俺の彼女は、ほんとに天使並みに可愛い
。