好きな人なんて一生出来ない、って思っ
てたけど、出来たし。
そんな初恋の相手とりょ、りょ、両想い
にもなれちゃったし。
それに、こんな風に言ってもらえるなん
て……。
「……バーカ」
ふ、と笑いながら向坂くんは、私にキス
をした。
「……あのさ」
唇が離れてからしばらく見つめあうと、
不意に照れ臭そうにそう言った向坂くん
。
「今日……一緒に帰るか?」
「え……?」
「ほら。そーいう関係になったんだし…
…ちょっとでもお前と居たいから……」
キューン…。
向坂くんって、私のハートを打ち抜くの
が上手だ。ほんとに。