しばらく屋上で時間を潰していたら、い
つの間にか、下校する生徒たちが見えた
。
もうそんな時間なのか、なんて思いなが
ら、鞄を取りに教室の前まで来たら。
「───……」
少しだけ開いたドアの隙間から、誰かの
声が聞こえた。
誰か居るのかよ、と思ったら。
「やっぱり、園田が好きだ」
今度ははっきりと聞こえてきた、声。
思わず目を見開いて、ガラスから、中を
見れば、そこには向かい合う三木と澪が
居た。
───『取られても知らないぞ』
そんな豊の言葉がしつこくループする。
「好きだ……」
「三木くん……私───……」
なんて、答えるんだ。