「……命令、な。お前、傍に置いておか
ないと、どっか行くから」


「……え?」



なにが、と首を傾げると、意地悪そうに
、だけどどこか照れたように、口角を上
げた。



「お前は今日から俺の女な。……わかっ
たか?泣き虫兎。まあ、拒否権なんてな
いけど」



オレンジ色に染まる教室で。



告げられたのは、あまりにも理不尽すぎ
な命令で。



なのに、なんで……。



───……私はそれを、断れなかった。