「こいつは、俺のだからやれない」
そう言うと、私を─……
「ひゃあっ!?」
私を、肩に担ぎ上げたの。
まさか肩に担ぎ上げられるなんて思って
なくて、ビックリして、変な声が出ちゃ
った。
向坂くんはそんなことはお構い無しに、
呆然とする三木くんを置いてきぼりにし
たまんま、私をどこかに連れていく。
「向坂くん、下ろして……っ」
「うるさい、黙れ」
頑張って抗議した声は、低い声に一喝さ
れてしまった。
でも、こんなの……落ちちゃいそうで、
怖いし……それに…こ、腰に回った腕が
、なんか変な感じがするんだもん。
くすぐったくて……そこがピリピリ、痺
れちゃうみたいな。
こんなの、初めてだ。