そこには、学校1のモテ男と言われてる
、向坂空が居た。
……う、う、嘘でしょ!?
こんな不良さんがお隣さんだなんて、本
当にあり得ない!
このクラスの中で、きっと一番近寄りた
くなかった人だった。
ああもう、最悪―――。
だけど向坂君もこっちを一瞥すらしない
し、口も固く引き結んだままだったから
、このまま関わらなければいいって。
―――そう、思ってた。
「私からしたら羨ましいけど……澪から
したら、災難だったねー」
その日の放課後、廊下を歩いていたら、
かなえちゃんがそう言った。
「本当だよー。かなえちゃんと代わりた
いくらいだもん!」