羨むことなんて何も起こってないし、ど
っちかといえば、今はブルーな気分なの
に。



その子達のいう事が、理解出来ずに居た
ら―――



―――フワッ……



と、私の世界で一番大っ嫌いで、憎い香
りがしたのと。



「あ、向坂くんだーっ!」


「やっぱりカッコいいねー!」



なんて声が聞こえてきたのは、ほとんど
同時の事で。



ま、まさか……。



と、最悪の事態を予想していたら、それ
を裏付けるようにして、隣に彼が、ドカ
ッと腰をおろした。



フワッと揺れる金髪。

鼻腔を満たす、タバコの匂い。