―――それは、向坂君がここら辺のヤン
キーのトップを張っているという噂があ
るから。



中学生の時から喧嘩は強かったらしく、
彼の身体には生傷が絶えない。そんな所
だって怖くて。



自分から話し掛けるとか、有り得ないし
、きっと向こうだって私のこと、なんと
も思ってない。



ずっと、そう思ってたんだ。



あの席替えの日までは―――。