「愛美のお兄ちゃんってもうサッカー辞めたの?」




下駄箱で靴を履き替えながら、彩佳は私に問いかける。




「大学でサークルだけどやってるみたいだよ。」


「まじ?まぁサッカー強かったもんね、愛美のお兄ちゃん!」









そう。私の兄は、去年までこの学校の男子サッカー部の部長をしていた。






去年の夏の大会では、MVP賞を貰った。(たしか。)




そして黄色い歓声を沸かせてた。(たしか。)



え?


私のお兄ちゃんの話なんてどうでもいい?






…ですよね~。