「まなみー」 駅の改札を抜けたところで、少し甲高い声で私の名前が呼ばれた。 その声の主は小学校からの親友、柏木彩佳。 「おはー!」 「彩佳おはよ。」 「なんか愛美、朝っぱらから暗くない?」 なんてケラケラ笑いながら、彩佳は言う。 彩佳は背が低くて、ふわふわした茶髪ボブが似合う癒し系。 そこそこモテる。だけど鈍感。なんか残念。