ジャンッジャッジャァーン

沈黙の中で、戸城の携帯が鳴り出す。すると、簡単にあたしの手首を離し、戸城は電話に出た




金縛りにあったかのように固まっていた体が自由になり、それと同時に、心臓が壊れるんぢゃないかと思うぐらい早くなる

いっ今のは何だったの…!?

近づいてくる戸城の顔を思い出し、思わず口を押さえる


あれって…キス…しようとしたのかな…




『いゃ今無理だって!…えっ?ぁー…分かったよ…あぁ…あぁ…じゃあな』

電話を切った戸城に、後ろから問い掛ける

『誰か…来るの?』

『あぁ…うん』

ホントは、誰が来るのかはわかってた。電話から声が少し聞こえたから…女の声…柏原さんだよね…


『じゃあ、あたしもう帰るわ…』

立ち上がり鞄を持つ

『ちゃんと病院行かないとだめだよ』

そう言って、玄関に向かって歩き出す


『相沢ちょおー待って!!』